MAO的小屋 ~相原茂の隠れ部屋~
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MAO'S Profile
雑誌、新聞、書籍などに寄稿したエッセイ集。
海外か国内か

岸弘子
無錫から戻って、しばらくの生活費稼ぎのために、都内の日本語学校に非常勤講師として勤務することになりました。久しぶりの国内勤務ですが、海外で教える場合とまるっきり勝手が違うので、戸惑うことばかりです。

海外で教える場合、外国人教師はお客様扱いで、周りから何かと世話を焼いてもらえます。休日には学生たちが遊びに連れて行ってくれたり、済ませなければならない用事も「私が代わりにやっておきますよ。」と、誰彼となく手伝ってくれます。また、学生管理と言っても、出席と成績の管理のみ。学生が逃げていなくなる わけもなく、厳しい入管のチェックを受けることもありませんから。何をおいてもうれしいのは、「ネイティブ信仰」により、日本人教師がルールブックになりますから、やりたいようにやれるという点でしょうか。学生を実験台に、思い切った教授法を試すことも可能です。

厳しい条件の下で仕事をこなさなければならないため、日本人教師同士の関係団結力も、申し分ありません。授業後も家族サービスがあるわけでなく、済ませなければならない用事があるわけでもなく、中華料理の円卓を囲みながら「だから中国は・・・」と、時間を忘れて語り合います。

一方、日本で教える場合は、というと・・・。まず大変なのが学生管理です。欠席した学生には、その都度、本人に電話をかけて様子を確認しなければなりません。警察のお世話になるようなことがあれば大変です。学生たちは、そんな先生たちの心配もよそに、「新しい彼女ができたから」とか「昨夜飲み過ぎて頭が痛いの で」とか、驚きの理由で欠席します。また、アルバイトと勉強の両立に疲れ、精神的に不安定になる学生も多く、そういった学生のサポートも先生たちの大切な仕事になります。

ほとんどが、他校と掛け持ちの非常勤講師の先生で運営されているため、「あと1時間で次の学校に行かないと!!」と授業が終わるや否や、引き継ぎも早々に学校を飛び出して行ってしまいます。なかなか他の先生たちと親密になるということはありません。ただ、まるでオートメーションの工場で商品が生産されるように 、入門→初級→中級→上級→留学生試験という流れで、厳しい管理と整備された指導要綱の下、教室運営がなされます。そういう面では、いい勉強になるかもしれません。

海外は、生活は大変だけれども、仕事はやりやすい。国内は、生活は楽だけれども、仕事は大変。ということでしょうか。一番理想的なのは、半年間、日本の厳しい管理体制の下で勉強を積み、組織力と協調性を身につけ、残りの半年間、海外の厳しい生活環境を体験し、根性と柔軟性を身につける方法かもしれません。(私 の個人的な希望かもしれませんが・・・)

私は幼いころから、「右向け右!」と言われると、左を向くようなタイプの人間ですから、組織の中で仕事をするのは、あまり得意ではありません。職安の適性検査でも、「芸術家・作家・ショップ経営者」が適職とのこと。まあ、運命のいたずらと言いましょうか、しばらくは国内の教壇に立つことになりました。(勉強し ろということでしょう)。中国に飛びたてる日を夢見て、しばらく国内で頑張ろうかと思っています。

ハルピンレポート、無錫レポートと、お付き合いいただき、ありがとうございました。また、相原先生には、約1年にわたり、ブログをお借りした上、いろいろアドバイスもいただき、大変お世話になりました。またお会いできる日を楽しみにして、筆を置くことにいたしましょう。

2009年8月28日


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