MAO的小屋 ~相原茂の隠れ部屋~
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雑誌、新聞、書籍などに寄稿したエッセイ集。
上海で美容院に入る

岸弘子

上海は、晩秋の東京を感じさせます。

一人、張学友の歌を聞きながら、ホテルの部屋でパソコンに向かっているのもオツなものです。ホテルといっても今回は会社の経費節約(?)で、アメリカのモーテルのような簡易ホテルです。一つ通りを隔てると、大きなビルが聳え立つ南京西路があるのに、ここは、昔ながらのレンガ造りの家が立ち並ぶ住宅街で、朝早くから朝食を準備する煙が上がっています。

昨日は一日中、仕事で企業回りをして、日本人・中国人のビジネスマンの方々とお話しをしました。上海は国際都市になった、人もずいぶん変わった、と思っていました。確かに街は近代都市へと変化を遂げていますが、ビルの受付で楽しそうに上海語でおしゃべりをしている小姐や鼻歌交じりに警備をする若者を目にし、普段着姿で「ようこそ!!」と迎えられ、帰り際に「折角だから、これから食事でも.」と笑顔で担当者に声をかけられると、やはり人は変わっていないなあ、確かにここは中国だ、と変に安堵感を覚えてしまいました。

20年前、20歳になった記念に、反対する両親を押し切り「振袖代はいらないから、中国に行かせて」と一人で上海・南京・北京を旅しました。そのときに初めて上海で美容院に入り、シャンプーをしてもらいました。中国語を独学で始めて3ヶ月。片言の中国語で「頭を洗って、乾かして」と伝えるのが精一杯でしたが、美容院の人達から「留学生?」「日本のどこから来たの?」と次から次に質問の嵐をあび、冷や汗たらたらだったことを思い出します。
店の棚には、ピンクの「エメロン」のシャンプーがならんでいました。

今回も、ぜひにと美容院にチャレンジしたいと思い、威海路にある一軒の美容室に入りました。今回のミッションはこちらに来てから伸びっぱなしになっている髪をカットすること。
シャンプーを座ったままですることや、約30分のマッサージがついていること以外は、全く日本の美容室と同じです。技術者も指名制度で、 普通の技術者なら48元、高級技術者は78元、最高級技術者にカットしてもらうと105元です。私の髪は癖があるため、日本でも満足のいくカットをしてくれる技術者を見つけるまでに何軒も美容院を渡り歩くくらいなので、普通技術者に「わかめちゃんカット」にされてはたまらない、かといってカットに105元を出すのもためらわれたので、間を取って75元の技術者を指名しました。

その店がそうなのか、一般的にそうなのか分かりませんが、技術者の全員が男性でした。日本にもいそうなカリスマ美容師風のイケ面の男性にカットしてもらいましたが、75元も惜しくないくらいのできばえに、舌を巻いてしまいました(写真をお見せできいないのが残念・・・・)。

一言も「日本人ですか?」と聞かれることなく、店を出ることができたのは、私の中国語が上達したからか、店の人が気を遣ってくれたからなのかは、分かりません。次回上海に来たときには、カラーリングに挑戦しようかと思っています。

そうそう、棚には「ロレアル」の立派なシャンプーが並んでいました。
(2008年11月25日)


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