ハルピンの日本語教育事情
ハルピンの日本語教育事情 岸 弘子 9月のある2日間の夕方、二つの大学で会社&学校の説明会を開きました。うれしいことに、両日とも教室に入りきらない110名を越す学生たちが集まりました。ご存知のとおり、中国は学歴社会で、大学を卒業しないと、まずホワイトカラーの仕事には就けません。しかしながら、大卒といっても、恐ろしい数の大学生が毎年卒業するため、就職難は私たち日本人の想像を上回ります。日本であれば、フリーターになるという道があるわけですが、「苦労して大学まで行かせたのに」という親.親族のプレッシャーとともに、本人の面子もあり、大学生や大卒者が飲食店や販売店でアルバイトをする姿は見られません。
幸い、日本のIT企業は慢性人材不足(日本では、IT産業は学生にとって「就職したくない」業種になっているようです)。ハルピンには、IT関連の大学が多く、日本語を勉強して日本で仕事をしたいと希望する学生がたくさんいます。そのため、ハルピンでも日本語学校が徐々に増えつつあります(大連には日系企業が多いこともあり、大小の日本語教室が雨後の筍の如く増えてます)。
以前にもお話ししたとおり、ハルピンには日本人が少ないので、日本語学校は、どこも日本語教師の獲得に苦労しているようです。日本人であれば、資格が無くても、とにかくアルバイトに来て欲しい!!という現状で、どこから情報が漏れるのか「どこそこに日本人の留学生がいる」と分かってしまえば、昼夜を問わずしつこく携帯電話にアルバイト勧誘の連絡が入るそうです。
日本人がハルピンで働きたがらない理由の一つに、給料が安いことがあげられるかと思います。日本語教師の時給は1時間50元〜70元程度。月給制のところでも、2000元ももらえれば上等なほうです。上海や北京の半分以下ですから、少しずつ貯金をためたとしても、日本に帰国して仕事が決まるまでの間の生活が維持できるのか……。実際、ハルピンは物価が安く、夫婦二人で普通に生活すれば700元程度で生活ができるのですが、帰国後の生活を考えて躊躇する人が多いようです。
もう一つは、過酷な気候が原因かもしれません。真冬は氷点下20度と聞けば、寒さに弱い人はそれだけでいやになってしまうでしょう。私の友人も、私が無事に冬を越せるかどうかをとても心配しているようです。遊ぶところも少なくて、夜は5時を過ぎると真っ暗になり、6時〜7時には店が閉まり、道行く人もまばらになります。
わが校では、「給料が安くても、寒くてもそれが何だ!中国の学生のために一肌脱いでやろう!」という織田祐二を超える熱い人材を募集中です。
以下、余談になりますが・・・・・
日本で就職を希望する学生には、日本語研修を始める前に面接を行います。 希望者の誰にでも日本の企業に紹介するわけには行きませんから、経歴、人格、本人の熱意などを中心に学校スタッフ、企業スタッフで厳しくチェックをするようにしています。面接の日程を知らせるときに、必ず「正式な服装でくるように」と伝えて いますが、当日きちんとリクルートスーツで面接にやってくる学生は10名のうち2,3人程度です。黒の綿パンツにカジュアルシャツ、白か黒のセーターなら、まだ許容範囲ですが、着古したジーンズにだぶだぶのトレーナー、ちょっとそこのコンビニに夜食でも買いに行きそうな服装で来る学生が大半を占めることに驚いてしまいます。
「正式な服装で来るように行ったはずですが」と質問すると、学生たちは悪びれる様子も無く「これではだめですか?」と問い返される始末。実は、赴任当初、うちのスタッフに「オフィスカジュアルでいい」と言ったところ、とんでもない普段着軍団になってしまった為、見かねた友人が制服の手配をしてくれました。 これでは、日本からやって来る企業の役員の方たちの接待はできませんから。日本では常識となっている『リクルートスーツ』『オフィスカジュアル』といったものは、ここには存在しないようです。
とりあえず、次回の面接の案内には「スーツ着用のこと」と記載することにしました。どんなスーツ姿が見られるか今から楽しみでもあります。
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