ハルピンでペットを買う話
ハルピンでペットを買う話 岸 弘子 私が大の犬好きと知った友人が、休日にペットショップに連れて行ってくれることになりました。中国人は犬の肉を食べると聞いていましたが、今では朝鮮族の一部に風習が残るものの、ほとんどの人は犬をペットとして飼っているようです。一般に、日本のように鎖につないで買う習慣が無く、ほとんどが放し飼いです。友人に理由を聞くと「人間も犬も縛られるのが嫌いだから」とか・・・。しかしながら、狂犬病が多いのも社会問題になっているそうです。
ペットショップといっても、日本のように街中に店舗があるわけではなく、街の一角に犬猫を専門に扱う店が集まっていて、その店の前で、大勢の人が露天で犬(猫も少々)を売っているのです。
車を降りると、犬の鳴き声と糞尿のにおいで眩暈がしそうになりました。売り手がおのおの連れてきた犬を、ある人は台の上に並べ、ある人は自分の車のボンネットや屋根の上に並べ、まるで市場に野菜を並べるかのようにして売っています。取り扱いもかなりひどく、かごの中に詰め込んできた仔犬をポイポイ放り投げて台の上に移すのです。小さなケージの中で窮屈そうにしているハスキー犬を見て友人が売り手に向かって「かわいそうだから外に出してあげたら」と言うと「かわいそうなら、あんたが買って帰ってやれば」と言い返されてしまいました。ここでは、犬も金儲けの商品でしかないようです。仔犬の目の回りを眉ペンで塗ったり、目薬を差したり、元気できれいに見えるように工夫している様子もいささかこっけいでもありました。
東北で寒さが厳しいこともあり、日本ではすでに人気がなくなってしまったシベリアンハスキーがかなり多く、次いでシェパード、ピレネー、チャウチャウ、ゴールデンレトリバー、小型犬はプードル、チワワ、ポメラニアンなどが多く見られました。日本で人気のミニチュアダックスフンドは、私が行った日には1匹も目にすることができませんでした。
値段は犬種にもよりますが、一般的な小型犬の仔犬で200元〜700元位です。ドイツから来たシェパードで20000元の値が付いていた犬もいますが、血統書などが無いので、売り手の言う血統が本当かどうかははっきりしないとのことでした。もちろん、交渉次第で3割〜半額の値段で買うことができるので、血統にこだわらない人にとっては魅力的かもしれません。日本では、成犬は価値が下がり、仔犬より格安で売られているのが一般的ですが、ここでは、成犬のほうが高値になることもあることにびっくりしました。
私は、市場の入り口近くで女性が抱いていた真っ黒のトイプードルが気になって仕方がありませんでした。市場を一回りして、トイプードルがその1匹だけだったこともありましたが、日本では300000円もするので、諦めていたのが400元で手に入るのですから!!友人が交渉して200元にしてみせると意気込んで交渉したものの、彼女は絶対に400元でないといやだと譲りません。何でも、自宅にすでに1匹犬がいて、その犬の友達になればいいと購入したものの、飼いきれなくなってしぶしぶ手放すことになったとか。市場のほかの犬は病気を持っているかもしれないし、出所が怪しいかもしれないけど、自分の犬は健康で、出所もしっかりしていて、市場の奥まで行くと病気が移りそうだからこうして市場の入り口に立ってい るのだといいます。
仕事が忙しいので飼いきれるかどうか自信が無くて迷うこと1時間・・・「3人で買えばいいじゃない」という友人の一言に押されてついに購入。ケージと餌とシャンプー、トイレシートに150元かかりましたが、日本に比べればかなりのお買い得でした。
いい買い物をしたと喜んで帰宅しましたが、友人のお母さん曰く「これ、偽物のトイプードルじゃない?」、理由は、まず、生後40日と聞いていましたが、元気に走り回る姿はどう見ても3ヶ月ぐらいにしか見えないというのです(私も何匹も犬を買った経験があるので、40日にしてはしっかりしているなあ、とは思っていたのですが)。それに、毛がどうも染めたような感じがするし、尻尾も人が切ったような感じだというのです。
そういわれてみれば・・・。でも、人なつっこい目で見られると、偽者でも本物でも良くなってしまいます。今は、この子の毛が伸びて、何色になるのかしらと楽しみにしているところです。
今日、市場で鹿の生首を見ました。「この店では本物の鹿肉を扱っている」とアピールする為だそうです。そういえば、先日友人が道端でロバを解体している現場を目撃したとも言っていました。ますます寒くなるハルピン。しゃぶしゃぶがおいしくなる季節だから、仕方ありませんね。
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