MAO的小屋 ~相原茂の隠れ部屋~
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MAO'S Profile
雑誌、新聞、書籍などに寄稿したエッセイ集。
ハルピンに戻って

岸 弘子
20日間という少し長めの冬休みを日本で過ごし、ハルピンに戻ったのは2月10日。空港へ降りると、中国独特の香りがし、(ああ、戻ってきたんだなあ・・・)という実感がわきます。と同時に、日本での20日間が、まるで夢物語でもあったかのような錯覚に陥るから不思議です。

空港の建物から一歩外に出て「うん?」と思いました。日本に帰国する前の極寒のハルピンを覚悟していたのに、外の空気は思ったほど冷たくありませんでした。遠くに見える耕地にうっすらと白い雪が残ってはいますが、春が確実に近づいている気配がします。迎えに来てくれたスタッフによると、現在の気温は最低気温が-10度前後、最高気温は0度程度とのことでした。地元の人が、「春節が過ぎると春が来る」と言っていたのは、まんざらうそではないようです。

市内に戻ると、春節の爆竹の後があちこちに残っていて、道路掃除の人たちが、大きな箒を使って一生懸命に掃き集めている姿が見られました。春節の間は、テレビの音が聞こえないくらいに爆竹が鳴り響き、窓から外を見ると、まるで空襲のようだったといいますから、納得です。来年は、ハルピンで春節を過ごすのも悪くないかな・・・と思いました。

春節が終わったとはいえ、大学はまだまだ冬休み。ほとんどの大学が授業開始は3月からとのことで、うちの学校の出席率も50〜60%程度です。熱心な学生は、授業開始に合わせて早々にハルピンに戻ったようですが、「寮には私一人しかいない・・・」「食堂の食事の種類が少ない・・・」とブツブツ言っているようです。
日が落ちるのもずいぶん遅くなって、以前なら3時過ぎには夕焼けもなく、突然暗くなっていましたが、今、午後5時前、西の空がきれいな夕焼けに染まっています。雪と氷に閉ざされたモノクロの街に絵の具を少しずつ落として行くように、少しずつ明るくなっていく街を見ていると、望郷の念も薄らぎそうです。娘がお土産に持たせてくれたスターバックスのコーヒー豆が3缶。「全部なくなったら帰っておいでね」の言葉を思い出しながら、ドリップをセットしてコーヒーを落とします。まだまだコーヒーを飲む習慣がない中国では、一番小さなインスタントコーヒーが1瓶20元程度、近くのケンタッキーで飲むブレンドが6元(普通の中華弁当が5元で食べられます)ですから、かなり割高です。
さあ、新しい年の始め、今年は不景気の暗い年明けになりましたが、ピンチをチャンスととらえ、ひと頑張りといきましょう!!

2009年2月13日(今日は13日の金曜日。でも、こちらでは誰も気にする人はいません。一人だけ、学生にクリスチャンがいて、彼だけは嫌がっていましたが……)


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