日本人として忘れてならないこと
岸弘子 昨夜、差し入れに持ってきてくれた龍蝦(たぶんザリガニの一種)の料理をおいしいおいしいとがっついた姿を哀れに思ってか、昼休み中に、大家さんから電話がありました。夕食を作ってあるから、今日は、ケンタッキーで済ませないで、まっすぐ帰ってくるようにと。
帰宅すると、テーブル一杯に手作りの家庭料理が並んでいました。大家さん夫婦と娘さん(大学生)もいっしょに乾杯!私が以前、ハルピンにいたことを知っていて、ハルピン特産の紅腸(ソーセージ)も並んでいます。アルコールが回って、話も弾み宴もたけなわのころ、ご主人が「娘は日本が大好きで、何でも日本の物をそろ えたがるんですよ。まったく、この、小鬼子!」と言いました。そばにいた奥さんがあわてて肘鉄を食らわせていましたが、さて、その場をどう繕うべきか。
結局、ははははは・・・・、で事なきを得ましたが、実は、無錫というところは南京に近いせいもあって、すべての人が日本人に友好的なわけではありません。先日も、中国人の友人の部屋探しに付き合ったとき、大家さんが「私は日本人が嫌いでね。あなたが日本人だったら貸さないところですけど。」と私を目の前にして 言ったのです。それまで普通に会話していましたが、(日本人だとばれたらどうしよう・・・・)と、急に言葉数が少なくなってしまいました。
少し前、『南京、南京』という映画が上映されました。南京大虐殺をテーマにした映画ですが、日本ではまだ上映許可がおりていません。北京の友人が、ほかの日本人2人と映画館へ見に行ったそうですが、館内の異様な雰囲気に、怖くて一言も言葉を発することができなかったそうです。試写会のとき、この映画に出演して いた2人の日本人俳優が、場内から罵声を浴びて泣き崩れたというのは、こちらでは、かなり有名な話だそうです。しかし、こういうセンシティブな内容の映画に勇気を出して出演したことが知れると、一躍英雄となり、中国国内では、かなり好印象をもたれるようになったとのことです。
もうすぐ8月。終戦記念日が近づきます。今や、中国との関係は、良くも悪くも切っても切れない関係になっています。願わくば、お互いにとってプラスになっていくようなお付き合いをしたいものですが、そのためにも日本人として、忘れてはならないことがあるような気がしてなりません。
2009年7月11日
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