それは私の仕事じゃない
岸弘子 今、住んでいる近くに大きなスーパーがあるので、毎日の買い物は、ほとんどそこを利用します。一階に入場ゲートがあり、そこを通ると、2階のレジを通過し、出口のゲートで係員にレシートを見せ、確認の印をもらわないと出られない仕組みになっています。1階は、洋服や日用品雑貨、書籍やDVDなど、2階はワンフロ アーがすべて食品です。特に人気のあるのがパン・洋菓子売り場で、いつも大勢の人でごった返しています。食パンが1斤5元程度、菓子パンが3つで5元〜10元なので、少し高めです。見た目は日本で売っているパンとほとんど変わりませんが、中には食べて「う〜ん」とうなるぐらい不思議な味のものもあります。サンドイッ チに肉粉が入っていたり、調理パンに中国の漬物が入っていたりしますから。
さて、このスーパーを利用していつも思うのですが、使用済みのカートやかごが店を出たところに乱雑に放置されているのです。一人一人が気をつけて元のところに戻せばいいと思うのですが。日本ではよく「使用済みのカーとは元のところにお戻しください」とあります。そういう話をしたところ、中国人スタッフに「そん なことをしたら、カートを片付ける人の仕事を奪うことになる。」と反論されてしまいました。
そういえば、ごみの分別について以前、日本の友人から聞いた話を思い出しました。一軒一軒の家で、きちんと分別すればいいのに、と話したところ、中国では、ごみを分ける仕事をしている人がいて、各家庭でごみの分別が習慣化すると、そういう人たちの仕事がなくなってしまうとのことでした。カートを片付けるのも、 ごみを分別するのも、道端に落ちているごみを拾うのも、私の仕事じゃなく、きちんとお給料をもらってやる人がいる、ということなのです。きちんとした雇用対策になっていると聞かされれば、納得です。これだけ大きな人口を抱える国ですから、仕方がないといえば仕方がないのでしょう。
うちの学生たちが「先生、さようなら!!」と帰った後も、台風の後のように散らかり放題です。ペットボトル、お菓子の袋、鼻をかんだティッシュ・・・・。椅子をきちんと元に戻すこともしません。あまりに耐え切れない状態になったら、お掃除のおばさんを呼んで、掃除してもらいます。日本なら、「きちんと片付けな さい!!」「家庭教育がナットラン!!」と子供たちは先生から大目玉をもらいそうですが、こちらでは「みんなで散らかして、おばさんのお仕事に協力しましょう!」ということになるのでしょう。
雇用対策が叫ばれている日本ですが、中国のこういう点を見習って・・・・というわけにはいかないのでしょうね。
2009年7月17日
|